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見積段階における効果的なコミュニケーション:トラブルや予算超過(赤字案件)を防ぐには

2024年09月25日 ブログ

解体, リフォームのプロジェクトは、まずは正確で精密な見積をするところから始まります。

この記事では、解体の見積を発行するフェーズを事業者目線で。つまり、わたしたちがどのようにコミュニケーションの課題を認識しており、適切なプロセスがどれだけプロジェクトをより迅速かつ確実に進めるさせることができると考えているかをご説明したいと思います。

“見積をとる”のは幾度となく繰り返される作業なので、顧客と企業との間の意思疎通は一見すると簡単そうに思えます。しかし、実際には、正しい情報が適切な人々に、適切なタイミングで伝わらなかったために、予想外の予算超過やトラブルが発生してしまうプロジェクトも少なくありません。

 

不十分なコミュニケーションの例え話

あなたは建築士だとしましょう。そして一軒家のリビングのリフォームに取り掛かっています。これくらいなら簡単だと思うかもしれません。実際、3LDKの家屋のリビングがリフォームがされる事自体は歴史上から見ても初めてのことではありません。

しかし、大きな問題は末端の小さなほころびから始まります。すなわち、不十分なコミュニケーションが、いかにも簡単そうなプロジェクトを混乱させてしまうことがあります。

 

例えば(実例ではありません)、クライアントは壁に造作家具(オーダーメイド)のテレビボードを望んでいましたが、プロジェクトの開始時にそれがきちんと伝えられていませんでした。

「きちんと伝えられていなかった」というのは、「それはそれは長いメールでのやりとりの中、スレッドの20番目の返信の中で何気なく言及された」といった状況を指しています。正直なところ、契約の担当者や建築士がそれの部分にピンポイントに注目することは少ないでしょう。

数週間が過ぎて、クライアントがそれに気づきます。リビングを見渡すと、望んでいないはずの既製品のテレビボードが既に取り付けられてしまっています。

 

ここでジレンマが発生します。問題は、クライアントと契約担当者がプロジェクト開始時に明確なコミュニケーション方法を決めていなかったことです。公平に言えば、クライアントは施工開始前に契約担当者に知らせていましたが、それは非常に役に立たない方法でした。

今や選択肢は2つしかありません。1) クライアントを失望させるか、2) プロジェクトを遅らせて再スタートするか。

誰の過失なのか、誰が支払うべきなのかも不明確です。ただ一つ確かなことは、クライアントはリビングに世界に一つだけのテレビボードが設置されることを心から望んでいるということです。

 

不十分なコミュニケーションの課題

質の悪いコミュニケーションはプロジェクトを台無しにします。これまで何度も、情報が適切な人に伝わらないことによって、スケジュールや予算が大幅に超過した現場を目の当たりにしてきました。

プロジェクトの開始時に期待事項を明確にし、コミュニケーション手段を定義することは、大きな違いをもたらします。

 

 

不十分なコミュニケーションは、以下のような多くの問題の根本にあります。

  • 混乱
  • 不必要な遅延
  • フラストレーション
  • 予算超過
  • 安全性の問題
  • ステークホルダー(関係者)の不満
  • クライアントとの関係の損傷

 

先ほどのテレビボードの例に戻りましょう。

不十分なコミュニケーションはプロジェクトを順調な軌道から逸らしてしまいました。クライアントは認識の齟齬で注文された既製品のテレビボードを受け取り、不満を抱いています。

この事態を修正するには遅延、工期の延期、そして予算の超過が必要になることでしょう。

 

そして、コミュニケーションは責任の所在にも大きく関わります。契約担当者がリクエストのための明確なプロセスを確立していれば、担当者の責任ではなかったと明らかになります。

そうすれば、クライアントは変更オーダーの費用を払うか、満足のいかないキャビネットで妥協するかを選ばなければなりません。冷たく表現するならば、クライアント事由の問題です。

 

しかし、そのプロセスがなければ、誰の責任かは不明確になります。その結果、無駄な議論、さらなる混乱、そして最終的にはどちらかが(あるいは双方かもしれません)が負担すべきではない費用を負担する可能性が出てきます。これを避けるためには、どのようにコミュニケーションを正しく取るべきかを知ることが重要です。

 

効果的なコミュニケーションを実現する方法

“なぜ見積の段階で明確なコミュニケーションが重要なのか”を理解したところで、次はどのように実現するかを見てみましょう。プロジェクト開始時に全員が同じページにいることが成功のカギです。いくつかの有益なヒントをご紹介します。

  1. 明確なコミュニケーションプロセスを設定する📝
    明確なコミュニケーションプロセスは、見積だけでなく、後のプロジェクトにも大きな影響を与えます。図面、仕様書、変更オーダー、臨時のリクエストに関しても、全てのステークホルダーがどのように、どこで、どの媒体を通じてコミュニケーションを行うかについて共通理解を持つ必要があります。これらのプロセスを明確にし、議論の余地を残さないようにしましょう。
  2. コミュニケーションの指揮系統を作る👨‍💼
    誰が誰に何を報告するかを明確にすることも重要です。設計変更は誰が報告すべきか?変更オーダーは誰が担当するのか?契約者が詳細を確認する必要がある場合はどうするか?これらの質問に明確な答えがあれば、二度手間を避けることができ、何が起こっているかを把握することがはるかに容易になります。
  3. 適切なコミュニケーション手段を選ぶ💬
    どの手段を選ぶにせよ、全員が同じテーブルにいることが重要です。変更のオーダーやその他のリクエストには、特定の書類を専用のメールアドレスに送るよう指示することもいいでしょう。また、LINEメッセージグループや、もしくは専門のプロジェクト管理ツールに組み込まれたコミュニケーション機能を利用することもできるでしょう。どれにせよ、明確さは混乱の敵です。
  4. 報告、報告、報告に次ぐ報告(そして報告)🗒️
    定期的な報告はプロジェクトの命です。重要なマイルストーンでは、見積と実際の支出、変更があったオーダーを比較し、予算内, 期間内で順調に進んでいるかを確認しましょう。この情報を現場監督、契約担当者、会計士と共有することで、全員が今後の方針に同意できます。また、悪いニュースをクライアントに伝える場合は、できるだけ早く、あなた自身が直接伝えるようにしましょう。
  5. チェック、監査、トレーニングを行う🗃️
    プロセスは、あるだけでは意味がありません。全員がそのプロセスを遵守しているかどうかを確認するために、定期的なトレーニングを行いましょう。また、プロジェクトのコミュニケーション全体を見直し、情報が適切なチャンネルを通じて正しい相手に伝わっているか、文書が正確で情報を適切に伝えているか、ステークホルダー間で定期的な打ち合わせが行われているか、クライアントが更新情報の内容や頻度に満足しているかをチェックすることも重要です。
  6. プロジェクトのスコープを定義する🔎
    クライアントとあなたが、指定された時間と予算内で何が可能かについて同じ認識を持つことが重要です。クライアントが意見を変えたり、想像や打ち合わせした内容を超えた豪華なキャビネットを望んでいる場合は、その費用を誰が支払うか(クライアントが)について明確にする必要があります。プロジェクトの開始時に明確な仕様書を作成し、詳細な作業範囲を含む文書を用意して、この合意を明文化しておきましょう。
  7. 明確かつ事実に基づいて話す🧩
    これは当然のことですが、あらためて認識する価値があります。言葉の選び方が、相手にどれだけ明確に伝わるか、そして他者との関係の質に大きく影響します。頻繁にコミュニケーションを取っていても、話が冗長で中身がなければ意味がありません。明確かつ簡潔に話すよう心がけましょう。

 

些細だと思われがちですが、コミュニケーション不全は万病の元となることでしょう。

効果的なコミュニケーションは、プロジェクトを成功に導く非常に重要な要素です。見積の段階から明確な情報共有を心がけ、連携を強化することで予算や工期の管理の精度が格段に向上します。

また、適切なプロセスの確立は、情報の流れをスムーズにし、ミスや誤解, 齟齬を減らします。プロジェクトの初期段階でしっかりとコミュニケーション体制を整えることで、最終的な成果にも大きな差が生まれるでしょう。

 

わたしたちの考え方があなたのプロジェクトの潤滑油となることができれば光栄です!

ご依頼やご相談をお持ちの方は、ぜひホームページ上部のフォームよりお問い合わせください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

やっと猛暑もおちついて秋らしい気候になってきましたね。

気持ちよさそうに毛づくろいする タダさんです😺