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解体業者が直面する環境への課題と未来への取り組み
もうすぐ衆議院選挙の投票日ですね。各候補者の考えをそれぞれ眺めながら投票日が近づくにつれ、私たちが社会に与える影響について考える機会が増える気がします。
そして、私たち一人ひとりの投票が社会全体の未来を形作るように、建設業界でも会社ごとの環境への取り組みが地球全体の未来を左右しています。
今回は、そんな業界の環境への影響と、それに対して私たちができることについてお話ししようと思います!
建設業界が環境に大きな影響を与えることは否定できません。令和4年度の産業廃棄物に関する速報では、実に年間 3億7,000万トンもの産業廃棄物が発生しています。前年度の令和3年度からは約600万トン(約1.5%)減少しましたが、この数字は注視する必要があるでしょう。
環境への悪影響を改善するためには、私たちのビジネスのプロセスのどこが寄与できるか考えてみましょう。
建設および解体廃棄物の種類
解体業界が取り扱う廃棄物にはどのような種類があるのでしょうか?
建造物にはさまざまな材料が使用されていますが、ざっくりと分類するならば以下のように、頻繁に見られる「メジャーコンポーネント」と、それほどではない「マイナーコンポーネント」の2種類に分けることができます。
これらの材料の多くは、リサイクルされたり、建設プロセスで再利用されたりすることができます。それでは、どのようにすれば適切に再利用が行えるのでしょうか?
最も一般的なアプローチは、循環型廃棄物管理です。
線形 vs 循環型
長年、建設(解体)業界は線形廃棄物管理に基づいていました。これはどういった話かというと、プロセスの流れ方の話です。
例えるなら、高所から一直線に流れ落ちる滝だけを見るようなものでした。
線形廃棄物管理では、
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企業は建設プロセスで新しい材料を使用し、
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製品や建物を作り上げ、
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残り物が出たり、製品が不要になったりすると、ただ捨てるだけ。
この生産方法は、施工を可能な限り安価にしなければならないという前提条件に密接に関連していました。その結果、リサイクルできない低品質で有害な材料が使用される過去もありました。
現在では、気候変動に対する意識が高まり、環境への影響を認識するようになったため、建設業界は循環型廃棄物管理に移行しつつあります。このプロセスでは、廃棄物を可能な限り再利用し、毎回新しい価値を生み出します。それが再利用できなくなったときは、責任あるリサイクルプロセスが主な目的となります。
よりプロセスを俯瞰して、滝だけを見るにとどまらず河川へそして海から雨になるような循環を考えます。
適切な循環型管理の主なプロセスは以下のようなものです。
- 高品質な製品の使用:同じ材料をさまざまなプロセスで何度も再利用するためには、それが高品質であり、無害であることが不可欠です。建設プロセスを担当する企業は、材料が堅牢であり、改修作業中に崩壊したり壊れたりしないことを確認する必要があります。
- 解体を見越した設計:循環型廃棄物管理を可能にするためには、高品質な材料だけでなく、建物が簡単に分解され、再利用および再構成できるように構築されていることが重要です。
- 製品の寿命延長:廃棄物の処理は重要な問題ですが、まだ使用中の部品や材料の寿命を延ばすことにも焦点を当てるべきです。もしかすると、全体を捨てるのではなく、小さな部品の修理や交換だけで済むかもしれません。
- 選別解体:これは今回の記事で最も重要なポイントです。解体作業では、材料が慎重に除去され、適切に処分されるべきです。リサイクルしやすい材料だけでなく、不適切に管理されると従業員の安全に大きな脅威となる有害物質についても同様です。
廃棄物管理における解体業者の課題
循環型廃棄物管理は、環境に優しい形で建設を行い、廃棄物を処理する素晴らしい取り組みではありますが、課題がないわけではありません。
結局のところ、建物を解体して残骸を処理するだけの単純なプロセスではなくなりました。新しい循環型アプローチでは、リサイクルや分解プロセスに熟練した労働力と広範な安全対策が求められます。さらに、時間的な側面も考慮しなければなりません。
要するに解体業者は、解決が必須の問題のためとはいえ、より複雑で時間(そしてお金)のかかるプロセスに直面しています。さらに、作業が最適に管理されていない場合、ビジネスの財政的な安定性を不安にすることになります…。
環境への配慮がますます求められる現代、建設廃棄物の不適切な処理が大きな問題となっています。
循環型廃棄物管理の重要性が叫ばれる一方で、手間とお金を惜しんで不法投棄を行う悪質な業者も後を絶ちません。
このような業者がコスト削減のために廃棄物を不正に処理することは、地域の環境を汚染し、住民の健康や安全に深刻な影響を及ぼします。
また、施主(依頼者)にも無関係の話ではなく、施主本人へ法的罰則が課せられてしまう可能性があります。
解体業界全体として、こうした違法行為を防ぎ、法令に基づいた適切な廃棄物処理が行われるよう、厳しい監視と取り締まりが必要です。業界全体の信頼性を守り、未来の環境を守るためにも、企業の社会的責任が問われる時代となっています。
これからも楢﨑産業開発は地球環境のために努力を続けていきます!
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おまけ
狭い所に挟まって日向ぼっこしているタダさんです😊